FC2ブログ
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
不妊や冷え性、むくみなどの婦人科系の漢方薬として
使用が目立つものに「当帰芍薬散」があります。

さくら薬局で不妊相談される女性でも・・・
以前に服用していた漢方薬として「当帰芍薬散」の名前が
頻繁に出てきます。

婦人病だったら、
すべて「当帰芍薬散」でオッケイでしょう的な立ち位置に
あるのでしょうか・・・

今回は・・・

「当帰芍薬散」はどのような理論で組み立てられている
方剤なのか考えます。

わたくしなども漢方理論の初学のころに、一番に
覚えたのが「当帰芍薬散」です。

「冷え性の女性にとてもよく効く漢方薬であるのだ~~っ」
というような説明を聞いた記憶があります。

しかし、深く漢方理論を勉強していくうちに、
冷え性の女性には「当帰芍薬散」というような単純な考えは
消えてなくなりました。


「当帰芍薬散」は以下の6つの生薬で出来ています。

 当帰 とうき

 芍薬 しゃくやく

 川芎 せんきゅう

 白朮 びゃくじゅつ 又は(蒼朮 そうじゅつ)

 茯苓 ぶくりょう

 沢瀉 たくしゃ

 
 当帰は、
 温性で、養血と活血作用があります。血虚有寒に有効です。
 「血中の気薬」ともいわれ、捕血活血調経・行気止痛の作用が
 あります。血病の要品で、月経不順、経閉、生理痛、妊娠中や
 産後の体調不良に効果的です。貧血ぎみでおなかが冷えて痛み
 場合にも有効です。
 血を温めて全身に巡らせるのと共に、血の量的な補充をします。
 潤腸通便作用があります。

 芍薬は
 やや寒性で養血作用を持ちます。血虚有熱に有効です。
 体表面に滞留する不要な水湿を裏に引き込んで利水します。

 川芎は
 辛温で香りも強く「走きて守らず」で外方向や上方向に
 血の巡りを誘導します。発散性に全身に血を巡らせます。
 血中の気薬と言われ、血の動きを推進させるだけでなく
 行気作用も持ちます。血中の水湿を発散して除去する
 作用も持ちます。
 
 白朮は、
 胃腸の元気を補って胃腸の動きを活発にし、
 胃腸の水分代謝力を活性化して不要な水湿を除去します。
 ジトジト漏れ出る汗を止めたり、妊娠中の胎児が流産
 しないように守る作用を持ちます。

 蒼朮は
 発散性、燥性が強く、貯留停滞する不要な水湿を強力に
 発散して除去します。

 茯苓は
 水湿を排除し、むくみを取ります。胃腸の元気を補って
 水分代謝を活性化します。寧心安神の作用を持ち、不眠や
 不安、動悸などにも有効です。
 
 沢瀉は
 水湿を排除し、寒の性質を持つので、肝腎の虚熱や湿熱を
 除きます。腎炎や膀胱炎に有効です。

 個々の生薬の効能は以上の通りですが・・・

 漢方方剤は生薬の構成の妙で効果が現出しますので、
 生薬構成が全体としてどういう作用を表すのかを
 検証する必要があります。
 
 
 「当帰芍薬散」としての作用は・・・

 四物湯(熟地黄・芍薬・当帰・川芎)から熟地黄を外し
 五苓散(桂皮・白朮・茯苓・猪苓・沢瀉)から桂皮と猪苓を
 外したものを合方したのが「当帰芍薬散」であるとの解釈が
 成り立つかもしれませんが・・・

 まず養血作用の主力である熟地黄を外してありますので、
 養血作用がどんと弱くなっています。
  
 養血するというよりも、血の動きを促す方向性に主眼が
 置かれた方剤だと考えられますが、桃仁や紅花など瘀血に
 対応するような強い活血薬は配合されていません。
 
 そして人参、黄耆など強い捕気薬(パワー補充薬)の
 配合がありません。
  
 そして体を積極的に温める、乾姜、附子、桂皮、呉茱萸
 などの配合がありません。

 利水薬の配合が多いことから水湿の排除の効果が
 強いことが分かります。

 以上の内容から分析しますと・・・
 
 身体のパワーはある程度保たれていて、虚弱傾向は
 顕著でなくて、気血不足はないかあっても軽度であって、
 陽気も保たれている・・・

 要するに、体力の低下傾向は顕著でない人で・・・

 飲食内容が不適切(生ものや水分の摂取過多)のために
 胃腸を中心に水湿の貯留停滞があって、不要な水がたまって
 いるために身体がむくんで冷える。
 不要な水が血液循環を妨げている。そのために頭痛や肩こりがある
 
 このような体質傾向の方に有効性が高いことがわかります。
 
 要らない水湿を排除して、水攻めで冷えてる状態を改善
 させます。要らない水が血液循環の邪魔をしている状態を
 改善させます。


 以上が「当帰芍薬散」が適合する体質傾向です。

 
「当帰芍薬散」が合わない人(適合しない人)・・・
 
 身体の虚弱傾向が強い人、例えば、貧血傾向が強い人・
 体力がない人・陽気が減弱しているために身体の冷えが強い人
 胃腸の消化吸収力の低下が甚だしい人
 
 身体が虚していて体力不足傾向が顕著な人は「当帰芍薬散」は
 適合しないということです。

 不妊女性で体力不足が顕著であって、
 精血不足でめまいふらつき立ちくらみが多い、
 目がショボショボして眼精疲労が多い
 生理が遅れがち又は生理血の色が薄いピンク又は茶色
 不眠傾向で夢をよく見る
 陽気不足のために足腰が強く冷える。
  
 このような体質傾向の人には「当帰芍薬散」は適合しない
 ということです。

 「当帰芍薬散」は不要な水湿が貯留していて、
 水湿貯留のために血液循環が滞っている人に
 適合する方剤であるということです。

 どちらかと言いますと、体力補充よりも発散除去に
 主眼を置いた方剤であるということになります。

 発散除去に耐えるには一定程度の体力が温存されて
 いる必要があるということです。
 
 特に川芎の発散力は強力です。
 
 芍薬、沢瀉は寒性です。身体を冷やします。

 白朮ではなくて蒼朮が配合されている方剤では・・・
 白朮は胃腸の元気補充の結果水分代謝力が向上し
 利水作用が活発になるわけですが・・・
 蒼朮は辛温発散作用によって水質を排除しますので
 捕の作用がほとんどありません。
  
 ですから・・・
 蒼朮が使用されている方剤では、さらに発散力が
 強力な「当帰芍薬散」であるといえます。
 
 当帰は潤腸通便作用を持ちますから、
 胃腸虚弱で下痢傾向の人には合いません。

 体質虚弱傾向の強い人が、「当帰芍薬散」を
 長期間継続服用しますと、今まで以上に体力が消耗し
 体調を崩す場合が出てきますから注意が必要です。

 以上のことから・・・

 「当帰芍薬散」が

 婦人科の万能薬ではないことが
 お分かりいただけたと思います。 
NEXT Entry
「当帰芍薬散」と「婦宝当帰膠」の効果や使い方の違いについて考えます。「当帰」と名前がついてるからどちらも似たような効果があるのだろうと思われがちですが・・・実はまったく効き目の方向性が異なる方剤です。使用に際しては、どちらの方向性が自分自身に適合しているのかをしっかり見極めた上で使用された方がよいです。使用上のポイントや注意点は本文中で述べていますので、参考にしてください。
NEW Topics
排卵障害を起こしている原因として・・・多嚢胞性卵巣症候群(PCO)というのがあります。卵胞の周りにべたべたした汚れが溜まってしまって殻が硬く肥厚してしまい殻を破って排卵することが出来ません。このような卵胞が数珠玉のように沢山出来て卵巣内部に存在しています。痰湿汚れ・湿熱汚れ・瘀血汚れ・寒凝固汚れ など種々の汚れが卵胞の周りに著中停滞してしまっています。したがいまして・・・これらの汚れを除去する方剤を使って継続的にアプローチをする必要があります。
卵巣がしっかり働いて卵胞を大きく成長させ正常に排卵させるためには・・・腎精が充足していることは必須です。そして脳から送られてくるホルモン情報の伝達に問題がないことも必須です。腎精を充足させるためには後天の精の補充が欠かせません。後天の精をしっかり補充するためには脾胃の働きがしっかりしていることが必要です。ホルモン情報の伝達に問題がある原因は精神的ストレスが溜まる=気血の流通が止まる→ホルモン情報がしっかり伝達されない。それから血液やリンパ液が汚れてよどんで流れが悪い状態になるとホルモン情報伝達に問題が生じます。血液やリンパ液を汚す原因は毎日の飲食生活の偏りです。こってり濃厚なものの摂取が多いと血液やリンパ液がドロドロ汚れてしまいます。漢方的アプローチとしては、①腎精の補充②気血の補充③脾胃の働きを活性化させて後天の精の生成力を強くする④精神的ストレスの開放(肝気鬱結の開放)⑤血液やリンパ液の汚れを除去する(食滞・痰湿・瘀血の除去)身体の陽気のパワーが弱くて冷える傾向にある場合は、陽気補充、身体で炎症が起こっていて熱っぽい場合は、清熱して炎症をとる・・・などお一人お一人の身体状況を見極めてしっかり排卵できるようにアプローチします。
妊活にとって大切なポイントは腎精を充足させてあげることです。そしてさらにめでたく妊娠出産授乳子育てという段になっても大切なポイントは腎精を充足させてあげることです。元気な赤ちゃんを出産して、出産後のお母さんも元気はつらつと授乳子育てが出来るということがとても大切なことです。そこのポイントに腎精の充足は欠かせません。産後うつ・産後に元気がでない・頭が空虚に感じてふらふらする・不眠・歯ががたがたしている・髪がパサパサして抜け毛が増える・目が弱ってチカチカまぶしい などは腎精の不足消耗が原因です。
「Tash Sultana」すごいアーティスト発見 ユーチューブ
妊娠するためには正常に排卵していることは必須条件です。視床下部~下垂体~卵巣(卵胞)とホルモン分泌連携が問題なく行われていますと排卵障害起こりません。①視床下部②下垂体③卵巣④卵胞膜 以上4つのポイントのどこかに異常が発生しますと正常な排卵が妨げられて排卵障害が起こります。①視床下部②下垂体 は脳の問題です。脳は「髄海」と言われます。腎精から髄が生じて髄は骨を滋養しています。そして髄が集まって「髄海」となります。脳「髄海」をしっかり機能させるためには、腎精が充足していることが大切です。そして腎精を充足させるためには後天の精をしっかり産生させることが大切です。後天の精は脾胃の働きによって生成されます。排卵障害が起きている場合は、脾胃、腎精、気血、肝の疎泄などに介入してホルモン分泌連携を正常化させるようにアプローチします。
Comment
Trackback
Comment form
 管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

桜の気の下で

Author:桜の気の下で
兵庫県たつの市神岡町にて漢方専門薬局を開いています。
(そうめん資料館)そうめんの里のすぐ近くです。
さくら薬局
℡0791-65-2107
マウスオン→ 




さくら薬局ホームページへ移動する

カテゴリ
最新記事
かわいい「ハムちゃん」
上の窓から1分置きに・・・
最新コメント
最新トラックバック
検索フォーム
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR

Page Top
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。