「当帰芍薬散」と「婦宝当帰膠」の
方剤名に「当帰」と入っていますので、
どちらも似たような
同じような効き目なのだろうな・・・

とお考えになる方が多いかもしれません。

しかし・・・

効き目の方向性がまったく違う方剤です。

これまで何回か述べてきましたので、それを
読まれるとお分かりになると思いますが。

再度簡単に述べたいと思います。

それぞれの方剤にはそれぞれの役割が
ありますので、

どの方剤が良くてどの方剤が悪い・・・
などということはありません。

「当帰芍薬散」には「当帰芍薬散」の役割があり
「婦宝当帰膠」には「婦宝当帰膠」の役割がある


「当帰芍薬散」が必要な人には「当帰芍薬散」が適合するし
「婦宝当帰膠」が必要な人には「婦宝当帰膠」が適合する
ということです。

「当帰芍薬散」は、発散除去剤(巡らせる方剤)です。
不要な水分を発散除去して血液循環を改善させる方剤です。

生ものや水分接種過剰などのために、胃腸を中心にして
不要な水分が貯留停滞している。冷たい水が貯留している
ために足が冷える、そしてむくむ。

冷たい水が血管を内外から圧迫して血流が悪くなり
血流が悪くなるのでさらに冷える。

不通則痛の原則から、腹痛や生理痛、肩こりや頭痛が
起こりやすい 

このような体質傾向を持つ人に効果があります。

「当帰芍薬散」は利水活血を中心とした発散除去剤ですので・・・

元気を補ったり血を補ったりする作用は少ないです。
そして積極的に身体を温める作用もありません。

ですので以下のような体力が低下している人には不向きです。

例えば・・・
体が虚していて疲れやすくて元気が出ない、貧血ぎみで
めまいやふらつき、血の気が引くことが多い、
目がショボショボチカチカして
眼精疲労を強く感じる、足がよくつる

生理が遅れ気味 又は早く来る、
そして生理の血色が薄いピンク色又は茶色い

肌が乾燥しやすい。
髪の毛が乾燥してぱさつく枝毛切れ毛が多い。

食が細くてすぐにおなかいっぱいになる。
胃もたれしやすい。

身体が芯から冷えていて冷え性の強い人。

以上のような症状を強く感じる人は「当帰芍薬散」は
合わないので服用に際しては注意が必要です。

上記症状が強い人で虚弱体質を改善したいのなら・・・

人参、黄耆、鹿茸、熟地黄などが配合されているものの
方が効果的です。

身体をしっかり芯から温めるためには、

乾姜、附子、桂皮、呉茱萸などが配合されているものが
必要です。


次に「婦宝当帰膠」です。

こちらは発散除去剤ではなくて、気血を補充する方剤です。
効果の方向性としては真逆と考えて良いかもしれません。

健脾益気+養血 という構成ですので・・・

「当帰芍薬散」では改善ができない以下の症状には
効果が期待できます。

体が虚していて疲れやすくて元気が出ない、貧血ぎみで
めまいやふらつき、血の気が引くことが多い、
目がショボショボチカチカして
眼精疲労を強く感じる、足がよくつる

生理が遅れ気味 又は早く来る、
そして生理の血色が薄いピンク色又は茶色い

肌が乾燥しやすい。
髪の毛が乾燥してぱさつく枝毛切れ毛が多い・・・ 
など。

「精血同源」理論から、
さらに鹿茸や海馬、亀板などの腎精補充ができるものと
合わせて服用するとさらに効果が期待できます。

ただし「当帰」が全体の7割程度を占めています。

「当帰」は捕血活血の剤で、非常に重くて胃腸にどんと
負担がかかります。

そして重い補血剤である「熟地黄」や「阿膠」も配合
されています。

ですので、血を補充するための材料がいっぱい配合されている
ということです。

しかし材料を消化吸収して血を生成するためには胃腸が
元気に働いてくれないといけません。

胃腸虚弱傾向が強い人では・・・

「当帰」「熟地黄」「阿膠」が胃腸に負担となるために
服用後に胃の不快感、胃もたれ、吐き気、下痢、などの
症状が発現することがありますので、

上記の胃腸不快症状が発現する人は「婦宝当帰膠」は
見合わせた方が良いかもしれません。

せっかく気血の材料が配合されていても、胃腸に負担が
かかって吸収がうまく出来ないようでは、気血補充の
効果が薄くなってしまいます。

ですので、
胃腸虚弱の人は「婦宝当帰膠」ではなくて胃腸機能を
活性化する作用があり、胃腸の負担が軽い養血剤が
配合された方剤を服用された方がよいでしょう。

以上・・・

「当帰芍薬散」は利水活血を中心とした発散除去剤です。
 (陽気不足や気血不足など虚弱体質者の服用は不適)

「婦宝当帰膠」は気血補充剤です。
気血不足の人の服用は適合しますが・・・
胃腸への負担が大きいため胃腸虚弱者の服用は不適です。


「当帰芍薬散」と「婦宝当帰膠」は・・・

同じ「当帰」が配合されていますが、効果の面では
方向性が随分異なりますので服用される場合は注意が
必要です。
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排卵障害を起こしている原因として・・・多嚢胞性卵巣症候群(PCO)というのがあります。卵胞の周りにべたべたした汚れが溜まってしまって殻が硬く肥厚してしまい殻を破って排卵することが出来ません。このような卵胞が数珠玉のように沢山出来て卵巣内部に存在しています。痰湿汚れ・湿熱汚れ・瘀血汚れ・寒凝固汚れ など種々の汚れが卵胞の周りに著中停滞してしまっています。したがいまして・・・これらの汚れを除去する方剤を使って継続的にアプローチをする必要があります。
卵巣がしっかり働いて卵胞を大きく成長させ正常に排卵させるためには・・・腎精が充足していることは必須です。そして脳から送られてくるホルモン情報の伝達に問題がないことも必須です。腎精を充足させるためには後天の精の補充が欠かせません。後天の精をしっかり補充するためには脾胃の働きがしっかりしていることが必要です。ホルモン情報の伝達に問題がある原因は精神的ストレスが溜まる=気血の流通が止まる→ホルモン情報がしっかり伝達されない。それから血液やリンパ液が汚れてよどんで流れが悪い状態になるとホルモン情報伝達に問題が生じます。血液やリンパ液を汚す原因は毎日の飲食生活の偏りです。こってり濃厚なものの摂取が多いと血液やリンパ液がドロドロ汚れてしまいます。漢方的アプローチとしては、①腎精の補充②気血の補充③脾胃の働きを活性化させて後天の精の生成力を強くする④精神的ストレスの開放(肝気鬱結の開放)⑤血液やリンパ液の汚れを除去する(食滞・痰湿・瘀血の除去)身体の陽気のパワーが弱くて冷える傾向にある場合は、陽気補充、身体で炎症が起こっていて熱っぽい場合は、清熱して炎症をとる・・・などお一人お一人の身体状況を見極めてしっかり排卵できるようにアプローチします。
妊活にとって大切なポイントは腎精を充足させてあげることです。そしてさらにめでたく妊娠出産授乳子育てという段になっても大切なポイントは腎精を充足させてあげることです。元気な赤ちゃんを出産して、出産後のお母さんも元気はつらつと授乳子育てが出来るということがとても大切なことです。そこのポイントに腎精の充足は欠かせません。産後うつ・産後に元気がでない・頭が空虚に感じてふらふらする・不眠・歯ががたがたしている・髪がパサパサして抜け毛が増える・目が弱ってチカチカまぶしい などは腎精の不足消耗が原因です。
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妊娠するためには正常に排卵していることは必須条件です。視床下部~下垂体~卵巣(卵胞)とホルモン分泌連携が問題なく行われていますと排卵障害起こりません。①視床下部②下垂体③卵巣④卵胞膜 以上4つのポイントのどこかに異常が発生しますと正常な排卵が妨げられて排卵障害が起こります。①視床下部②下垂体 は脳の問題です。脳は「髄海」と言われます。腎精から髄が生じて髄は骨を滋養しています。そして髄が集まって「髄海」となります。脳「髄海」をしっかり機能させるためには、腎精が充足していることが大切です。そして腎精を充足させるためには後天の精をしっかり産生させることが大切です。後天の精は脾胃の働きによって生成されます。排卵障害が起きている場合は、脾胃、腎精、気血、肝の疎泄などに介入してホルモン分泌連携を正常化させるようにアプローチします。
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兵庫県たつの市神岡町にて漢方専門薬局を開いています。
(そうめん資料館)そうめんの里のすぐ近くです。
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