引き続き排卵障害について述べます。

①視床下部の問題
②下垂体の問題
③卵巣の問題
④卵胞膜の問題

上記4つの問題によって排卵障害が
起きるという内容でここのところ
続けて述べています。

今回は④卵胞膜の問題について述べます。

多嚢胞性卵巣症候群(PCO)という病態があります。

卵胞膜が硬くなって排卵出来ない状態です。

ある程度大きくなって排卵出来ない卵胞が
数珠玉のように繋がった状態になって
卵巣の中に沢山存在する状態になっています。
「ネックレスサイン」

排卵出来ていない状態のために排卵させるための
ホルモンであるLHの値が高値になっています。

多嚢胞性卵巣症候群(PCO)の人の特徴的な
症状として・・・


①生理が時々来ない、生理周期が長い(35日以上)
②しばらく来なかった生理が来ると、出血量が多い。
③ニキビが多い(顔、背中、胸にもニキビがある)
④顔や手足の指、背中などの体毛が濃い。
⑤家族に糖尿病の人が多い。
⑥いぼができやすい。(脇、首回り、股間や性器)
⑦油っぽくテカル肌。肥満気味、お腹周りに脂肪が多い。
⑧フケが多い、抜け毛が多い。

上記のような症状の発現が見られます。

では・・・どうして多嚢胞性卵巣の状態になるのか?

卵胞膜や卵巣の殻が硬く肥厚しているために
排卵出来ないのですが・・・

この状態は漢方的に考察しますと・・・
痰湿や瘀血が卵巣に固着していると
捉えることが出来ます。

動脈硬化を起こした血管内部の状態をイメージすると
分かりやすいかもしれません。

べたべたした油っぽい汚れがたまっていたり
血の塊が詰まっていたりしているということです。

さらさらしていなくてベタベタして硬くなって
肥厚していくということになります。

このような状態になりますと・・・
殻が硬くなっていますから排卵困難となります。

上記①~⑧の症状も・・・
まさしくこのような体質に現れる症状ばかりです。

卵巣だけでなくて身体内部にあぶらっぽい汚れが貯留停滞
しているために・・・肌が油っぽくべたつきます。

そしてこういうタイプの肌はニキビが多発しやすくなります。
顔だけでなくて胸部や背中にもニキビが出来ます。
毛穴が油汚れで詰まっているのでニキビが化膿しやすいです。

イボは痰湿の塊です。

油っぽくべたついたフケが多くなります。
そして髪の毛の毛穴が油汚れで詰まるので、髪の毛への
栄養供給が悪くなって抜け毛が増えます。

血液が脂っぽく汚れて血流が悪くなるために・・・
生理がきちんと周期的に来なくて遅れ気味になります。

そして・・・べたべたしたおりものが増える傾向にも
なります。

さらには・・・

精神的にストレスが強くて、イライラしたり怒りっぽい
または不安感が強いうつっぽくなるなどの症状が
現れるひともあります。

この状態は肝気鬱結です。
気の動きが鬱滞しているために、血流や水などの動きが
悪くなります。

このような状態が卵巣にも及んでいる場合があります。

そして・・・

体が疲れやすくてパワー不足のために
気・血・水 の動きを促進させることができない。

体が冷えていて、気血津液が寒凝固を起している。
冷え固まってしまって動かない。

上記のような病態となっているために

卵胞の周りに痰湿汚れ、湿熱汚れ、瘀血汚れ、寒凝固汚れ
などが貯留停滞して卵胞膜が硬くなってしまって排卵出来ない
というのが多嚢胞性卵巣症候群(PCO)です。

漢方的アプローチとして・・・

痰湿、湿熱、瘀血、寒凝固などで固まって
貯留停滞している種々の汚れを除去する

気鬱を発散させる

動きを活性化させるためにパワーを増強させる。
冷え固まりが強い場合は陽気を補充する

など多嚢胞性卵巣症候群(PCO)を引き起こしている
原因を分析し見極めて対応したアプローチをします。
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排卵障害を起こしている原因として・・・多嚢胞性卵巣症候群(PCO)というのがあります。卵胞の周りにべたべたした汚れが溜まってしまって殻が硬く肥厚してしまい殻を破って排卵することが出来ません。このような卵胞が数珠玉のように沢山出来て卵巣内部に存在しています。痰湿汚れ・湿熱汚れ・瘀血汚れ・寒凝固汚れ など種々の汚れが卵胞の周りに著中停滞してしまっています。したがいまして・・・これらの汚れを除去する方剤を使って継続的にアプローチをする必要があります。
卵巣がしっかり働いて卵胞を大きく成長させ正常に排卵させるためには・・・腎精が充足していることは必須です。そして脳から送られてくるホルモン情報の伝達に問題がないことも必須です。腎精を充足させるためには後天の精の補充が欠かせません。後天の精をしっかり補充するためには脾胃の働きがしっかりしていることが必要です。ホルモン情報の伝達に問題がある原因は精神的ストレスが溜まる=気血の流通が止まる→ホルモン情報がしっかり伝達されない。それから血液やリンパ液が汚れてよどんで流れが悪い状態になるとホルモン情報伝達に問題が生じます。血液やリンパ液を汚す原因は毎日の飲食生活の偏りです。こってり濃厚なものの摂取が多いと血液やリンパ液がドロドロ汚れてしまいます。漢方的アプローチとしては、①腎精の補充②気血の補充③脾胃の働きを活性化させて後天の精の生成力を強くする④精神的ストレスの開放(肝気鬱結の開放)⑤血液やリンパ液の汚れを除去する(食滞・痰湿・瘀血の除去)身体の陽気のパワーが弱くて冷える傾向にある場合は、陽気補充、身体で炎症が起こっていて熱っぽい場合は、清熱して炎症をとる・・・などお一人お一人の身体状況を見極めてしっかり排卵できるようにアプローチします。
妊活にとって大切なポイントは腎精を充足させてあげることです。そしてさらにめでたく妊娠出産授乳子育てという段になっても大切なポイントは腎精を充足させてあげることです。元気な赤ちゃんを出産して、出産後のお母さんも元気はつらつと授乳子育てが出来るということがとても大切なことです。そこのポイントに腎精の充足は欠かせません。産後うつ・産後に元気がでない・頭が空虚に感じてふらふらする・不眠・歯ががたがたしている・髪がパサパサして抜け毛が増える・目が弱ってチカチカまぶしい などは腎精の不足消耗が原因です。
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妊娠するためには正常に排卵していることは必須条件です。視床下部~下垂体~卵巣(卵胞)とホルモン分泌連携が問題なく行われていますと排卵障害起こりません。①視床下部②下垂体③卵巣④卵胞膜 以上4つのポイントのどこかに異常が発生しますと正常な排卵が妨げられて排卵障害が起こります。①視床下部②下垂体 は脳の問題です。脳は「髄海」と言われます。腎精から髄が生じて髄は骨を滋養しています。そして髄が集まって「髄海」となります。脳「髄海」をしっかり機能させるためには、腎精が充足していることが大切です。そして腎精を充足させるためには後天の精をしっかり産生させることが大切です。後天の精は脾胃の働きによって生成されます。排卵障害が起きている場合は、脾胃、腎精、気血、肝の疎泄などに介入してホルモン分泌連携を正常化させるようにアプローチします。
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Author:桜の気の下で
兵庫県たつの市神岡町にて漢方専門薬局を開いています。
(そうめん資料館)そうめんの里のすぐ近くです。
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